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面白いと第四次アニメブームと京アニの爆発 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱(2009年版)』感想・評価レビュー【アニメレビュアーズ#1】

 

ようこそ、閉鎖空間へ。

 

異種族の風〇をレビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメの感想や評価を書いていく「アニメレビュアーズ」

 

第一回目は、やはりというかこれしかないというか、2006年から今にも続く”第四次アニメブーム”の火付け役であるこの作品。

『涼宮ハルヒの憂鬱(アニメ2009年版)』の感想・評価・レビューをしていく。

第二回以降もこのフォーマットをテンプレとして行くぞ。

 

アニメレビュアーズとは?

 

『涼宮ハルヒの憂鬱』作品情報

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放送時期

第1期:2006年4月-6月

第2期:2009年4月-10月

話数

第1期:全14話

第2期:全28話(再放送14話+新作14話)

ジャンル

SF/学園

アニメーション制作

京都アニメーション

 

『涼宮ハルヒの憂鬱』あらすじ・PV 

ただの人間には興味ありません!

「この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上!」

入学早々、時を止めるような挨拶をした涼宮ハルヒ。
そんなSF小説じゃあるまいし…と、誰でもそう思う…。
しかしハルヒは心の底から真剣だった。
それに気づいたキョンをとりまく日常は、もうすでに超常になっていた…。

涼宮ハルヒが団長の学校未公式団体「SOS団」が繰り広げるSF風味の学園ストーリー。

引用:「涼宮ハルヒの憂鬱」京アニサイト【トップページ】

 

『涼宮ハルヒの憂鬱』スタッフ

原作・構成協力:谷川流

原作イラスト・キャラクター原案:いとうのいぢ

超監督:涼宮ハルヒ

監督:石原立也

シリーズ演出:山本寛

キャラクターデザイン・総作画監督:池田晶子

シリーズ構成:涼宮ハルヒと愉快な仲間たち

脚本:志茂文彦、村元克彦、武本康弘、賀東招二、村元克彦

音響監督:鶴岡陽太

音楽:神前暁

製作:SOS団

 

『涼宮ハルヒの憂鬱』キャスト(声優)

涼宮ハルヒ:平野綾

キョン:杉田智和
朝比奈みくる:後藤邑子

長門有希:茅原実里

古泉一樹:小野大輔
鶴屋さん:松岡由貴
朝倉涼子:桑谷夏子
谷口:白石稔
国木田:松本恵
キョンの妹:あおきさやか

 

『涼宮ハルヒの憂鬱』評価

評価項目 作画 演出 音楽 声優 ストーリー キャラ 設定・世界観 雰囲気 面白さ
点数 10 10 10 10 9 10 10 10 10

お気に入り度:★★★★★

 オススメ度:★★★★★

 

 

大ヒットの要因は内容の‘‘面白さ‘‘にある

この作品は「とんでもないアニメ」だ。

 

言わずもがな。既にアニオタに留まらず広く知られている名高い作品だから、今更僕が説明したり語る必要もないと思うが、解説を兼ねて語らせてもらいたい。

 

 

2006年に放送されたこの『涼宮ハルヒの憂鬱』は、社会現象になるほど大ヒットし、たくさんの若者をオタクという沼に引きづり込んだ元凶(いい意味で)とも言える作品だ。

 

 

 

何故ここまで台風のように一大ムーブメントを起こしたのか。

それは多くの人が既に気付いていると思うが、やはり「内容の面白さ」にあると思う。

とにかく「面白い」。無駄な文章や語彙を削りに削ってこの作品の感想を言うならばこの一言に尽きる。

 

 

本作のあらすじはこういった感じだが、この学園モノの日常に混在しハルヒが作り出す非日常、言わばSF要素が徐々に糸のように絡まるストーリーが死ぬほど面白い。

「次の展開どうなるんだ?」なんて考えてる暇もない。考える暇があって次の展開を予想したとしても、それは絶対に当たらない。

何が起こるか予想も出来ない展開が次々と続き、次の展開を予想する事すら忘却の彼方に葬り去ってしまうほどとんでもなく面白くて、視聴者をとてもワクワクドキドキさせてくれる。

 

 

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そしてその面白さはストーリーに留まらない。

そのストーリーを形作るキャラクターたちも非常に魅力的で個性的で、面白みに溢れている。

まず本作の主人公であるキョンは、「ごく平凡な男子高校生が主人公」という設定や、「やれやれ」とばやきながらヒロインなどの登場人物に振り回せるストーリー展開などの潮流を学園モノの作品に作ってしまったほど、特にセリフがユーモアでウィットに富んでいる。

もう1話の出だしの長セリフだけでどんなに面白いか。モノローグが病みつきになる。

多分「ごく平凡」などと謳っておきながら、この作品で一番面白い登場人物はこの主人公・キョンであろう。

 

次に、宇宙人である長門、未来人である朝比奈さん、超能力者である小泉の3人のメインキャラクターたち。

こいつらもなかなか強い個性とユーモアを持っていて、他作品のメインキャラクターとは一線を画す魅力を備えている。

朝倉さんや谷口と言ったサブキャラもかなりキマっていた。誰一人として「こいつ要らなくね?」というキャラが居ない。

 

そしてメインヒロインであるハルヒ。タイトルは「ドラえもん」なのに主人公ではないドラえもんと同じ立場にあり、この世界の神だ。もうそれだけで面白いのだが、なにせメインヒロイン。

ちゃんとヒロインヒロインをしていて、普段は平静を装ってはいるが、たまに照れてツンデレ的な一面を見せたり、端的に言えば可愛い。

またハルヒは神なのだから、この「涼宮ハルヒの憂鬱」の世界は‘‘ハルヒの思い通りの世界‘‘なのだ。

だからハルヒが望んだ宇宙人(長門)、未来人(朝比奈さん)、超能力者(小泉)がハルヒの近くに必然と集まった。じゃあ何故ただの人間でしかないはずの主人公・キョンがハルヒの一番近くに居るのか?

「笹の葉ラプソディ」の小学生時代のハルヒとキョンが出会ったエピソードを念頭に置きながら、この疑問についてずっと問い続けながら本編を観て行くと、かなりエモエモな話なのが分かって来る。

 

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そんな感じで、普通に一回観ただけじゃ到底分からないような隠し要素や遊びがたくさん詰まっているのがこの『涼宮ハルヒ』の世界なのだ。

とても分厚くて圧倒的なまでに作り込まれたストーリーと世界観、そして世界設定を誇っているのもまた、この作品のクオリティが高くて面白いところでもある。

しょうもない小ネタやあからさまなパロディがあるのもポイント高い。

 

僕は、何回も見返さないと理解できない難解な作品は好きではないのだが、この作品は別に一回観ただけでも十分に内容を把握できる。ストーリーはそこまで難解ではない。

加えて、作り込みが凄まじいから見返す度に気付かせてくれるものがあるし、すこぶる面白いから何回も観たいと思わせてくれる。もはや尊崇の念に値するレベルで。

 

日常系の鉄板である学園モノと、非日常系の醍醐味であるSF要素が上手いこと融合しそこにどこか哲学的な谷川ワールドが持ち込まれ、その化学反応からとび抜けてぶっ飛んだ面白さを持ち合わせる作品に仕上がっていると思う。

 

 

また、キャラクターたちに命を吹き込む声優さん。

キョン演じる杉田さんの冒頭の長セリフとモノローグの絶妙な言い回しは癖になるし、小泉演じる小野Dのイラっとするくらいの爽やか演技も良かったし、何よりハルヒ演じる平野綾さんの快演が素晴らしかった。

 

 

なんつったって2006年のクオリティではない

 

ここまではストーリーやキャラクター、世界観と言った「内面(内容)」の部分に焦点を当てて語って来たが、もう少し専門的な外枠の部分も語らせて頂きたい。

 

 

まず、昨今アニメの要素として特に重要視されがちな作画だが、到底2006年に放送されたものとは思えないクオリティだ。

とにかく動く、崩れない、ヌルヌル。

特に第1期12話に当たる「ライブアライブ」のライブシーン。

この回のハルヒが「God knows」という曲を歌唱するときの顔の動きやギターの指の動きひとつひとつがとにかく凄まじい。ここまでやるか?と思わせるほどである。

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続いて演出は、ある位置にカメラを固定して何分もストーリーを進めたり(ヤマカン演出)など、安定の‘‘京アニ演出‘‘が見受けられる。

が、例えばキャラクターを固定してカメラを一周させるなどは無く、‘‘京アニ演出‘‘が比較的少なかった印象である。

しかし、同じ話を8回も違う映像で魅せたりなど、斬新で無駄に頑張っている(良い意味で)部分もあった。

 

カメラアングルや魅せ方もさることながら、一番秀逸だった演出は「涼宮ハルヒの憂鬱」6話のラスト、閉鎖空間でキョンがハルヒに「俺はポニテ萌えなんだ」と謎の告白をしながらキスをし、翌朝登校したらハルヒの髪形が‘‘ポニテ‘‘になっていたという伝説的シーンである。

あれほど高度なツンデレ、キマった演出は後にも先にも無い。頬は赤く染めないし、一切主人公や視聴者にも媚びないブレない照れ。まさに圧巻の一言であった。

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そして音楽。

OP曲「冒険でしょでしょ」も、ED曲「ハレ晴レユカイ」も、先述した「God knows」もアニメ史に残るレベルの神曲だ。

「ハレ晴レユカイ」は、アニメのEDでキャラクターたちが歌って踊るという文化を作り上げ、ニコ動では誰もが‘‘踊ってみた‘‘を投稿しそのジャンルの動画が定着した。

「God knows」は、アニメの作中で挿入歌が流れたり、文化祭でライブシーンが挟まれるという学園モノの掟を作り出した。

正直、これらの楽曲無しには2006年以降のアニソンや学園モノのアニメは語れたない。

「神前暁」という天才作曲家や「畑亜貴」という天才作詞家を掘り出してくれた、という意味でもだ。

 

また、あまりフィーチャーされないが、「劇伴曲」と呼ばれる作中で流れる音楽(BGM)もめちゃくちゃ良い。

サントラはゲームしか買わない僕が、思わず5000円もするサントラCDを買ってしまったほどだ。

日常パートで流れる朗らかな曲も、シリアスなシーンで流れる奇妙な曲も、戦闘中に流れるカッコいい曲も、某野球アニメを模したアレな曲も全て素晴らしい。

劇伴曲はロボアニメや日常系でよくかかる曲ばかり評価されるが、この作品も十分に評価されるべきだと思う。どのレビューを見ても誰も涼宮ハルヒの劇伴曲の部分をツッコんでいないのがよく分からない。

 

 

あと、「ハレ晴レユカイ」は音楽のみならず、映像としてもずば抜けている。

曲に合わせてキャラクターたちが歌って踊る。そんなEDなどこれまでに無かった。

その理由としては、まずそういった発想が無かったというのもあるかも知れないが、とにかくコストが掛かり高い技術力が必要となる。

そんな高度な事を2006年に平然とEDでやってのけ、その曲と踊りを流行らせた。

純粋にクオリティとしても凄いが、そこからまたムーブメントを作り出したのも凄いと言える。 

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また、2期OPの動きまくるコミカル調の映像と謎ダンスや、パラパラ漫画調の2期EDも良かった。

2009年に放送された作品ではトップクラスのクオリティを誇るOPとEDで、この頃には今では有力な制作会社が力をつけ始めていた頃だが、こりゃ京アニにしか出来ないな...と感じてしまったほどだ。

 

 

世界の改変、新時代の幕開け

この作品は、ただ社会現象級の大ヒットを飛ばしただけではない。

 

まず深夜アニメブームを巻き起こし、その年から深夜アニメの制作本数が急増して、それが「第四次アニメブーム」の到来だと言われた。

本作を模倣したような主人公、シナリオを持ち合わせた作品も多数出てきたり、「ライトノベル」という小説の分野が急激に発展したり、ライトノベルのアニメ化に弾みがついたり、‘‘踊ってみた‘‘などの動画サイトでの二次創作の嚆矢となったのも全てこの作品であり、これらも「第四次アニメブーム」がもたらした潮流だ。

未だに制作本数は右肩上がりと大量にアニメを制作して、それらを僕らオタクが大量に消費している現状がある通り、このブームは今もなお続いている。

「第三次アニメブーム」を引き起こした「エヴァ」とは比較にならないブームの長続きだ。

もはやブームというより、そういう時代の流れだと捉えた方が良いだろう。

 


そして、アニメーションを制作した「京都アニメーション」‘‘京アニ‘‘の相性でたくさんのファンが付いてブランド化し、以降5年ほど黄金期に突入するなど、京アニの知名度と人気度も上げた。

 

 

 

これはハルヒの世界で言うところの「世界の改変」であり、僕らにとっては「新時代の幕開け」である。

ラノベがアニメ化され、声優や制作会社がフィーチャーされ、アニメとネットの調和が加速し、大量にアニメを消費する新時代が。

 

 

まとめ:ただの作品には興味ありません!

ゼロ年代を牽引したセカイ系SFの本作。

個人的に超好きな作品である。

これを見ずして2006年以降のアニメは語れない。

アニメが好きなら、そしてアニメを語りたいなら絶対に観るべき作品だし、あまりアニメに興味が無いという人にこそ観てほしい作品だ。

 

因みに冒頭の評価は、2006年の作品の中でも最高峰のクオリティで、ほぼ完璧だから10点が多い。

「エンドレスエイト」にも肯定的である。

評価点数の詳しいことは、後日公開予定の[アニメレビュアーズ 評価の指標」をチェックしてもらいたい。

 

初回だし、この作品は語りたいことが多かったから長文になってしまったのは申し訳ない。今後、文章は徐々にブラッシュアップされ短くなっていくと思う。

また、劇場版『涼宮ハルヒの消失』のレビューは別記事で行う予定だ。

 

 

気が付いたらSOS団の一員。

この世界もまた、涼宮ハルヒによって創られたのかもしれない...

 

 

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