時を遡ること2ヶ月前、「アニメの触れてはいけない歴史」として、製作中止になったアニメを20作品まとめた記事を公開した。
この記事で最初に紹介した『となりの801ちゃん』という漫画は、「京都アニメーション」制作でアニメ化する予定であったが、諸般の事情でアニメ化中止に見舞われた。
幻の京アニ作品だ。
しかし、それから更に色々とネットの海を漂っていると、まだ”幻の京アニ作品”が多数あったことが判明した。
それが今から15年以上前に京アニが発足した、企画から製作・販売までのすべてを自社で行うという「京アニプロジェクト」。
- 『MUNTO(ムント)』木上益治
- 『完璧!パーフェクト・ハーフ』石原立也
- 『0の領域』米田光良
- 『ブライアン・サーシャ』池田晶子
- 『ALICE in The DARKNESS』武本康弘
- 『帝都探偵ゼオ』荒谷朋恵
- 『勇機新生ガルゼオン』北之原孝将
- 『R'equiem』???
- 『サムライとプリンセス』木上益治(キャラデザ:石立太一)
- 『恋は猪突モーシン!』武本康弘
- 『パーツマン』北之原孝将
- 『学園風紀番 夜守り』木上益治
- 『特捜戦隊アーバイト』山本寛
- 『天使のオブジェクト』米田光良
- 『お部屋でクシュン&ヘクチ』池田和美
- 『マカイビョウイン』井上真希
- 『エルゼノ』荒谷朋恵
僕がネットの海を探って確認できたのは、上の17つの企画。
「京アニBON」という2007年頃に連載されていたウェブマガジンで、企画はお披露目になったという。
同時に「KYOANI PROJECT 100企画進行中!」とのテロップが掲げられていたらしく、本当はもっと沢山の企画が練られていたのかもしれない。
木上益治監督の『MUNTO』は唯一現実になった企画だが、これは「京アニプロジェクト」の第1弾として2002年に世の中に発表された作品だ。
これを皮切りに、京アニ所属のアニメーターが企画したオリジナルアニメを制作し、下請けで儲けたお金で販売していくつもりだったのだろう。
しかし2003年から元請けを開始すると、何作も制作を請け負ってはヒットを飛ばし、企画屋から引っ張りだこの状態に。
結果、「京アニプロジェクト」に回すコストが無くなり、プロジェクトそのものが自然消滅して行ったのかなと...
2000年代後半は制作作品数も多く、会社自体の勢いが凄かったし。
あらすじが書かれている『ブライアン・サーシャ』とか、『AIR』と『テイルズ』を混ぜ合わせたようなイメージボードの『R'equiem』とか、結構気になるのだが...
『勇機新生ガルゼオン』は名前からしてロボットアニメだよね。『0の領域』は推理モノか?
武本康弘さんの『ALICE in The DARKNESS』など、もう亡くなってしまった方々の企画は永遠に見られないと考えると悲しくなる。
だがまだご存命の方々の企画は、「実は温存してました!」的な感じで、後々現実になるかもしれない。
今の京アニには、自社でアニメを製作して販売する資金力もブランド力もある。
けれどこの「京アニプロジェクト」は、KAエスマ文庫の受賞作をアニメ化する流れに取って替わられたのかな…と思ったり。
2021年現在、第8回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作『二十世紀電氣目録』がアニメになる予定となっており、先日新しいアニメーションCMも公開された。
次の京アニ作品はこの『二十世紀電氣目録』と予測する。楽しみだ。
僕は『小林さんちのメイドラゴンS』を観ながら、のほほ~んと待つことにする。
OPは1日に1回以上絶対見ている。受け取るすべてがまるでメッセージ。
【京アニプロジェクト第1弾『MUTNO』のレビュー記事】
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