異種族の風〇をレビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメをネタバレ有りでレビューしていく「アニメレビュアーズ」。
今回は、2014年からWEBで連載されている4コマ漫画のアニメ化作品『おしえて!ギャル子ちゃん』の感想・評価・レビュー。
放送枠は10分、本編は8分程度しかないショートアニメだが、日常系の30分アニメにも負けない面白さがあったので、詳しく感想を書いていこうと思う。
- 『おしえて!ギャル子ちゃん』作品情報
- ギャルだから良い
- ギャルを介した”女の子”の描写
- 癒し(いやらし)能登麻美子さんのナレーション
- 純情ギャル最高~☆
- まとめ:ギャル子ちゃんに"色んなこと"を教えてもらいました
『おしえて!ギャル子ちゃん』作品情報
放送時期 | 2016年1月-3月 |
話数 | 全12話 |
ジャンル | コメディ/学園 |
アニメーション制作 | feel. |
『おしえて!ギャル子ちゃん』あらすじ・PV
見た目はどこからどう見ても金髪ギャルで遊んでそうに見えるけれど、実は純情な女の子。
そんなギャルな外見と素直で優しい内面のギャップが可愛らしいギャル子を中心に、眼鏡で背の小さなオタ子、おっとり天真爛漫なお嬢の三人が、いろんな場所でガールズトークを繰り広げる日常コメディ!
『おしえて!ギャル子ちゃん』スタッフ
原作:鈴木健也(『おしえて! ギャル子ちゃん』/KADOKAWA刊)
監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテ:川口敬一郎
キャラクターデザイン:藤崎賢二
総作画監督:藤崎賢二
プロップデザイン:枡田邦彰
美術:アトリエPlatz
美術監督:松本浩樹
美術設定:平間由香
色彩設計:田川沙里
3DCG:高木 翼
撮影監督:小池里恵子
音響監督:明田川 仁
音楽:高橋 諒
製作:ギャル子ちゃん製作委員会
『おしえて!ギャル子ちゃん』キャスト(声優)
ギャル子:和氣あず未
オタ子:富田美憂
お嬢:高橋未奈美
チャラ男:櫻井孝宏
スポ男:小野大輔
オタ男:松岡禎丞
アベセン:中村悠一
アゲ美:石上静香
ヤバ菜:本渡 楓
肉子:木村珠莉
オカ子:飯田友子
委員長:諏訪彩花
王子:芳野由奈
メタ子:加隈亜衣
不思議ちゃん:久保ユリカ
ブド子:鈴木絵理
ボム男:古川 慎
ノリ介:八代 拓
コン太:天﨑滉平
ハカセ:熊谷健太郎
フツ男:小林裕介
ネト郎:村田太志
クセ太:藤井ゆきよ
ツン乃:千本木彩花
キバ美:大西沙織
フジ美:牧野由依
ギャル子姉:日笠陽子
ナレーション:能登麻美子
『おしえて!ギャル子ちゃん』評価
評価項目 | 作画 | 演出 | 音楽 | 声優 | ストーリー | キャラ | 設定・世界観 | 雰囲気 | 面白さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 9 | 8 | 7 | 8 | 7 | 8 | 8 | 8 | 8 |
お気に入り度:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
ギャルだから良い
「ギャル」と言うと、僕の偏見かもしれないが、やはり「教養のないヤリ〇ンビ〇チ」という印象が強いのではないだろうか?
しかし本作の主人公となる「ギャル」は、「Notヤリ〇ンビ〇チ」=純情な処女であり、どんな人にも親切で優しく、教養や技術を兼ね備えているハイスペックJKだ。
作中でも親友キャラがツッコむように「なんでギャルなんかやっているの?」と思えてしまう内面で、端的にいえばオタクが妄想する「オタクに優しいギャル」に近似している。
しかしこの「ギャルなのに…」という突っかかりから生まれるギャップが非常に面白い。
本作では、女の子事情のあれこれや日常生活に役立つ知識が、主人公・ギャル子やその周囲のキャラクターとの会話から飛び出す。
「生理のときはこうする」「下着を買うときはこんな感じ」「ネイルなどのオシャレをする際はここを気を付ける」「ボサボサの髪はこうした方が良い」など。
男である僕からしたら、知らない領域の知識ばかりだ。
それが純情ギャルを主人公に据えるというギャップによって、興味関心をそそられて勉強になり、面白いとも思える工夫として成立しているのである。
「女の子は大変だなぁ」「爆乳ギャルにも苦労があるんだなぁ」...僕はそんな他人後のような感想を抱いたがw
ギャルを介した”女の子”の描写
また3話にて、ギャル子の友人で容赦なく下ネタを吐くオタ子が、お母さんになることが夢のギャル子に対して「爆乳だから陥没乳首でしょ。陥没乳首は病気になってお母さんになれない可能性がある」などとやや強く当たってしまう。
ギャル子は泣いて走り去ってしまい、二人の仲は疎遠に。
しかし後日、お嬢の差し金もあって風邪で休んだギャル子にオタ子は泣きながら謝り、二人の仲は元通りになる。
この一連の展開を観て、ギャルでもナイーブな所があり、ちゃんと血の通った素敵な女の子であることを痛感できたし、なぜこうも違うメインキャラ3人の仲が良いのかも腑に落ちた。
彼女らは互いに違いを認め合い、その上で歩み寄っているのだ。ギャルもオタクもお嬢様も関係無いと。
そして本作は多少アニメとして誇張している部分があれど、”女の子”をしっかり描こうという気概があるのが分かって良かった。
ゆえに「なんでギャルなんかやっているの?」という疑問は、きっと稚拙な偏見から発生した愚問なのだ。
それが彼女なりのオシャレであり、自己表現の形。
「人を見た目で判断してはならない」「個性を尊重し多様性を認め合う」という、モダンな当たり前のメッセージが本作の根底にはあると思った。
性別や容姿や嗜好を超えて分け隔てなく接し、ギャルという偏見をことごとく粉砕して行った、ギャル子という主人公キャラクターがまさしくそれを象徴している。
癒し(いやらし)能登麻美子さんのナレーション
本作にピー音などの音規制は一切存在せず、恥じることもなく「オッパイ」「陰毛」などの用語がバンバン飛び出す。
これは下ネタではなく医学用語だから!意識しちゃう方が下衆な思考をしているぜ!…とでも言わんばかりに。
とくにサブタイトルに用語がストレートに入りまくるので、「ナレーションの能登さんにナニ言わせとんねん... ありがざます!」となること請け合い。
一体収録現場はどんな空気だったのだろう...
純情ギャル最高~☆
一方、映像面はさすがに規制があるものの、上手いこと隠しながら攻めた描写をしている。
”胸”や”尻”を執拗に映すカメラアングルが多く、パイ揺れなどの細かい芸もあり、徹底的に”妙にエロい”のだ。
なんだこの「feel.」の”エロ”に対するこだわりは。
女の子の可愛らしさに関しても、さすがは「feel.」と言うべき。
線は柔らかく朗らかで、配色も鮮やか。私服の衣装もかわわ。作品全体の雰囲気は温かい。
映像面や雰囲気は「feel.」という制作会社の強みが素晴らしく出ているな、と深く唸った。
オタ子の下ネタに赤面するギャル子ちゃんがめちゃくちゃ可愛い。
オタクだから純情ギャル最高。お金があったらとうにギャル子ちゃんのフィギュアを買っているよ。
まとめ:ギャル子ちゃんに"色んなこと"を教えてもらいました
かなり肯定的な意見を書き並べたが、ショートアニメだから点数が伸びにくく、総体的な評価は「77点」。
直接的な下ネタやエロ描写が多く、下ネタで笑いを取りに来るギャグが基本形なので、本作は男性向けの作品である。思春期の男子は必見よ!
けれど”女の子”をしっかり描こうという気概があるので、女性でも十分に観られるんじゃないか?…と勝手に考えている。
ギャルに対する偏見と同様、見た目に囚われてはいけない作品。