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オタクが求める理想の夫婦像 アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』感想・評価・レビュー【アニメレビュアーズ#50】

 

異種族の風俗をファ〇通レビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメをネタバレ有りでレビューしていく「アニメレビュアーズ」

 

今回はキリのいい第50回目ということで、僕が大好きなショートアニメ*1『旦那が何を言っているかわからない件』の感想・評価・レビューを書きたい。

原作は『小林さんちのメイドラゴン』『小森さんは断れない』などのクール教信者先生で、2chに投稿した作品が元になっている。

 

【アニメレビュアーズとは?】

 

『旦那が何を言っているかわからない件』作品情報

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』キービジュアル

©クール教信者/一迅社・旦那が製作委員会2014
放送時期 第1期:2014年10月-12月
第2期:2015年4月-6月
話数 第1期:全13話
第2期:全13話
ジャンル ラブコメ/日常
アニメーション制作 セブン

 

『旦那が何を言っているかわからない件』あらすじ・PV

ごく普通のOL・カオルと、彼女の旦那で重度のオタクであるハジメのいちゃラブ生活が返ってきた!
カオルは相変わらずハジメに振り回されているけど、見ているほうが恥ずかしくなるほどの仲の良さは健在で……。

引用:旦那が何を言っているかわからない件

 

 

『旦那が何を言っているかわからない件』スタッフ

原作者:クール教信者
監督:永居慎平
キャラクターデザイン・作画監督:馬場竜一
音響監督:大室正勝
音楽:G-angle
制作プロダクション:ドリームクリエイション

 

『旦那が何を言っているかわからない件』キャスト(声優)

カオル:田村ゆかり
ハジメ:鈴村健一
樹瀬リノ:釘宮理恵
樹瀬望:坂井俊文
田中さん:新谷良子
山田:外崎大輔
マヨタマ:堀野紗也加
三木さん:清水香里

 

『旦那が何を言っているかわからない件』評価

評価項目 作画 演出 音楽 声優 ストーリー キャラ 設定・世界観 雰囲気 面白さ
点数 8 9 8 8 8 8 8 9 9

お気に入り度:★★★★★

 オススメ度:★★★★☆

 

 

オタクに理解のある非オタの嫁

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』

©クール教信者/一迅社・旦那が製作委員会2014

本作で描かれるのは、重度のオタクで甲斐性のない「ハジメ」と、サブカル知識やネット用語に疎い非オタで元ヤンの「カオル」夫妻の結婚生活だ。

その内容とは、ハジメがハイテンションにネット用語やアニメ台詞を言うと、カオルが何言ってるのか分からん...と思いながら優しく受け流してくれたり。

ハジメが唯一の収入源だったブログを停止し、WEBデザイナーに転向したときには、相変わらず近所の奥様方には何をしてるか分からないと言われるだろうけど、「私が分かってりゃいい」とカオルは言う。

一方で料理下手なカオルが焦げたチャーハンを作ったときには、ハジメはそれも萌えポイントだと承知して「おいしいよ」と言う。

時には気を遣って休暇は友人に会わせてあげたり、映画館デートに連れて行ったり。

また、ハジメが二次元の美少女に「俺の嫁~♡」と萌えていると、カオルが「アンタの嫁は私だろ!?」と愛のツッコミを。

オタクと非オタ、陰キャと陽キャ、性格も生きてきた世界もほぼ真逆といえる二人だが、

お互いに分かり合えない部分がありながらも歩み寄っていて、ラブラブな夫婦生活を送っている。

自分の親を見て今の日本社会で絶対に結婚したくない...と思っている僕でさえ、こんな結婚生活だったら憧れるなぁ、カオルみたいな嫁さんだったら結婚してもいいなと思った。

というか嫁になってほしい。毎晩抱くわ。

でもお似合いだからなぁ二人...クソッ、リア充爆発しろ!!!

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』カオルとハジメ

©クール教信者/一迅社・旦那が製作委員会2014

ここで抑えておきたいのは、決してオタクの独りよがりな妄想になっておらず、

私たちの相性はいいのか? どうしたら上手く過ごせるのか? 子供を養えるのか? こんなにも幸せでいいのだろうか?

...など結婚生活の葛藤が描かれ、避妊具がどうとか性的な部分にもかなり踏み込み、妙なリアリティがある。

そこには、現代の結婚観や夫婦の在り方を世間に問うメッセージも込められており、観ていてなかなかに考えさせられる。

結婚って愛し合うの一辺倒ではなくて、助け合いだったり、お互いの努力があったりして、その上に「二人でいると楽しい」があるのかなぁとか。

完全には分かり合えない異なる者同士の交流をゆる~く、時には風刺的に描くなんともクール教信者先生っぽい

 

いまざきいつき氏の一人担当回

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』第8話

©クール教信者/一迅社・旦那が製作委員会2014

全話通して観ていると、なんとも目を引く回がある。

1期11話「人が一人で生きてきて」と、2期8話「マヨタマ爆誕」

どちらも過去回想メインで、絵コンテ・演出・作監・原画をいまざきいつき氏が一人で担当

特徴的なケレン味溢れる作画、奇抜なカメラワーク、心を抉るような演出、作品の根幹に関わる強いメッセージ性...

作画監督の個性が出る昔のアニメを彷彿とさせる、氏の作家性が強く出ている回で印象的だった。

にしても、1期11話は「人は一人では生きていけない」というメッセージなのに、ほぼ一人で作っているという皮肉よ...

 

 

ゆるがぬふたつの主題歌

本作はショートアニメだからオープニングはないが、エンディングはある。

流れるのはハジメとカオルが歌う、歌謡曲風のデュエットソング

1期は夫婦でお風呂に入る映像に乗せて「いいかげんにして、あなた」が、2期はバーで夫婦が晩酌をする映像に乗せて「ゆるがぬふたり〜愛の讃歌〜」が。

どちらも作品のゆったりとした空気感に合っていて、ついつい歌いたくなる良曲だ。

愛する人とデュエットして下さいと言わんばかりにカラオケ字幕が出るけど、全部一人で歌うんだよなぁ。

またハジメ役の鈴村健一さんとカオル役の田村ゆかりさんの歌唱が上手いんだ。二人とも個人名義で歌手デビューしてるだけある。

 

オタクに刺さる小ネタも多いんだお

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』パロディネタ 私は一向に構わんッッ

「私は一向に構わんッッ」
バキの烈海王ネタは一般人には通用しないだろ...

ハジメと同じ重度のオタクとしては、ちょくちょく登場する2ちゃんねる(現5ch)のネタや有名作品のパロディも見どころで刺さるw

けれどショートアニメゆえに、1つ1つのネタが一瞬で過ぎてしまうのが勿体無い。

ちなみに「この後滅茶苦茶セックスした」はめちゃくちゃ印象的だが元ネタではない。

 

 

まとめ:旦那が何を言っているかわかってしまう件

アニメ『旦那が何を言っているかわからない件』評価

※点数は評価点数+お気に入り度+オススメ度の合計(100点満点)

僕が視聴したショートアニメの中で一番高い点数を付けており、すでに5周は観ているくらい好きである。

本作は『メイドラゴン』ほど万人向けではなく、サブカルの教養があるとより面白い作品になっている。

だが全話視聴するのに1時間もかからないので、

特にアニメを観る時間があまりない人や、既婚者でサブカル好きな人におすすめしたい。

 

 

『旦那が何を言っているかわからない件』を配信で観る

*1:放送枠が3~15分程度のアニメ

PCの方は、125%に拡大して閲覧することを推奨します。