トゥットゥルー!
異種族の風〇をレビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメをネタバレ有りでレビューしていく「アニメレビュアーズ」。
今回はタイムリープモノの名作として名高いアニメ『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』の感想・評価・レビューである。
※劇場版『STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』と第2期『シュタインズ・ゲート ゼロ』は、今回の記事では言及しない。
『シュタインズ・ゲート』作品情報
放送時期 | 2011年4月-9月 |
話数 | 全24話+OVA1話 |
ジャンル | SF/タイムリープ |
アニメーション制作 | WHITE FOX |
『STEINS;GATE』あらすじ・PV
舞台は2010年夏の秋葉原。厨二病から抜け出せない大学生である岡部倫太郎は、「未来ガジェット研究所」を立ち上げ、用途不明の発明品を日々生み出していた。
だが、ある日、偶然にも過去へとメールが送れる「タイムマシン」を作り出す。世紀の発明と興奮を抑えきれずに、興味本位で過去への干渉を繰り返す。
その結果、世界を巻き込む大きな悲劇が、岡部たちに訪れることになるのだが・・・悲劇を回避するために、岡部の孤独な戦いが始まる。果たして彼は、運命を乗り越えることができるのか!?
『STEINS;GATE』スタッフ
原作:5pb./Nitroplus
総監督:佐藤卓哉、浜崎博嗣(第25話のみ)
監督:佐藤卓哉、浜崎博嗣→小林智樹(第25話のみ)
シリーズ構成:花田十輝
脚本:花田十輝、横谷昌宏、根元歳三、林直孝
シナリオ監修:林直孝、松原達也
キャラデザ・総作画監督:坂井久太
音響監督:藤山房伸
音楽:阿保剛、村上純
製作:未来ガジェット研究所
『STEINS;GATE』キャスト(声優)
岡部倫太郎:宮野真守
椎名まゆり:花澤香菜
橋田至:関智一
牧瀬紅莉栖:今井麻美
桐生萌郁:後藤沙緒里
漆原るか:小林ゆう
フェイリス・ニャンニャン:桃井はるこ
阿万音鈴羽:田村ゆかり
『STEINS;GATE』評価
評価項目 | 作画 | 演出 | 音楽 | 声優 | ストーリー | キャラ | 設定・世界観 | 雰囲気 | 面白さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 9 | 9 | 9 | 10 | 10 | 10 | 10 | 7 | 10 |
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★★
1クール目はフリ、2クール目は怒涛の伏線回収
序盤:じわじわ迫り来る影
この作品を初見で視聴した時、1クール目がつまらなかったのを覚えている。
とにかくキャラクターたちの個性の癖が強くて、
・中二病を拗らせた主人公
・ネット用語ばかり喋るデブなオタク
・何故かガジェット研究所にやって来る赤髪の女
・「トゥットルー!」が挨拶の変な幼馴染
・何故かキモオタにも愛嬌があるメイド喫茶勤務の女
・性別がどちらか分かりづらい巫女さん
と、メインキャラたちの最初の印象はこんな感じで、彼らのイタすぎるキャラクターが妙にハマらなった。
ストーリーは、序盤は淡々と進み、特に恋愛やギャグや感動に振り切ることもなく、
ひたすらタイムマシン制作に勤しむくらいの日々で、キャラクターと”謎”だけが増えていく。
初見で視聴した時は、そんな風に「つまらない」とさえ思った1クールだった。
中盤:絶望的展開、「終わらない旅」の始まり
しかし、この作品は13話で一変する。
なんと、ラボへの招かざる来訪者により仲間が殺されて行くのだ。
そんな”最悪な結末”を回避するため、主人公・岡部の「終わりなき旅」が始まる。
それがこの第13話だ。
そこで僕は気付くのだった。
1クール・12話までの日々は”オタクたちの何気ない日常”であり、全て伏線が詰まった”フリ”であったという事を...
牧瀬紅莉栖の血だらけの死体、突如として人が消え去ったアキバ、萌え文化が消えて無くなったアキバ。
それらの衝撃的かつ不可思議でしかない展開が続いていく中で、僕も岡部も気付くべきだったのだ。段々世界がおかしくなっているという事に。
それからの展開はただただ「恐怖」だった。
”最悪な結末”を回避するために幾度もタイムリープを繰り返すが、その全てが同じ結果に収束する。
何度やっても失敗、何回やっても絶望。
それでもストーリーは少しずつ良い方向へと転がって行く...
そんな中、まゆしぃや助手を助けるためにのたうち回り、誰よりも頑張っている岡部に、いつしか僕は強い感情移入をしていた。
中盤から終盤にかけては怒涛の伏線回収だった。
これまで膨らんでいた数々の謎という名の伏線を見事に回収していくその様は、まさに圧巻の一言。
そして、たくさんの辛くて苦しくて悲しい展開を乗り越えた先は、誰もが待ち望んでいた「シュタインズ・ゲート」世界線。
気が付けば僕はキャラクター全員を愛していて、岡部に負けないくらい助手こと牧瀬紅莉栖を愛していた。
勿論この作品も色々なヒロイン派閥が存在するが、やはり僕は助手ことクリスティーナ一択。
だからこのラストは、僕にとっては最高の終わり方であり、完璧なハッピーエンドだった。
だからクライマックスシーンでは感動の余りめちゃくちゃ泣いたよ。
他にも色んなシーンで泣いてると思うけど、そこが一番記憶に残っている。放心するまでに追い込まれたから...
ストーリー総評 なぜ10点なのか
何気ない日常があって、
胃が痛くなるような絶望的展開が続いて、
そこから地を這うゴキブリのように色んな積み重ねで取り戻して行き、
最後には誰にも文句を言わせない素晴らしい終わり方。
こんな完璧で凄まじいシナリオに10点(満点)以外を付ける点数がない。
シナリオを重視しがちな僕は、ものの見事にこの『シュタインズ・ゲート』の世界に吸い込まれていった。
また、この作品のように1クール目を全てフリに使って、2クール目でそのフリ全てを回収するというシナリオ構成の手法を取っている作品がある。
それが『とらドラ』という作品。
そういう構成の手法を取った2クールのアニメの99%は傑作になり、感動するしかないのだが、
今どき2クールも放送枠を取って、その半分を全てフリに使うという作品は作れなくなっている。
何故ならすぐに面白くないと切られたり、下手したら「隠れた名作」扱いをされて円盤が売れないからだ。
このシュタゲは先ほど挙げたとらドラは、ハルヒ以降の深夜アニメ全盛期に作られたから完成した名作とも言える。
「構成」の点でもこの作品は満点の出来だ。
ドス黒い演出と科学アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるOP・ED
ここまでは主にシナリオの部分を語って来たが、それをより引き立てていたのは演出だった。
とにかく悲劇をドス黒く描き、「恐怖」を助長させたり。そういった受け手側にも「絶望感」や「苦痛」を与えるのが上手かった。
これは演出のおかげだと思う。
また、第1話でアキバから人っ子一人居なくなるという演出もめちゃくちゃ良かったし、こと細かにアキバの街が再現されているのも分かった。
楽曲については、劇伴曲に関してはあまり気にならなかったが、OP・EDは凄く良かったと思う。
OP「Hacking to the gate」は、ゲーム版OP「スカイクラッドの観測者」や他の『科学アドベンチャー』シリーズを彷彿とさせる千代丸サウンドだった。シュタゲ関連の楽曲では一番好きだ。
ED「刻司ル十二ノ盟約」は、どこか悲哀さに満ちていて、残酷さを兼ね備えた美しい楽曲だと感じる。
OP・EDどちらも映像も素晴らしく、名曲である。
一度くらいは聴いてほしいアニソンだ。
まとめ:これが「シュタインズ・ゲート」の選択だ!
最高のオタクアニメ。
グワッハッハッハッハッ!!!鳳凰院凶真最強!クリスティーナ萌えるぜ…!!!
最初の印象はあまりだったが、徐々に惹かれて行き、今では大好きな作品の一つである。
また別記事でレビューを書くが、『劇場版』や『ゼロ』も視聴済みであり、原作ゲームも購入している。(ゼロをリアタイで視聴した感想が前のブログにあるぞ)
評判が非常に良い実写舞台版も見た。シナリオライター・作曲家・プログラム・経営の全てを兼ね備えた志倉千代丸先生の信者にもなってしまった。
これももしや「シュタインズ・ゲート」の選択なのかな?
記憶を消してもう一度観たいアニメ第1位かも知れない。
もう全てを知ってしまっているから、初見で視聴した時以上の体験はもう二度と出来ないだろう。
まだ観てないという人は絶対に観ておくべきだ。君がオタクだと言うのなら特にだ...
オタクじゃない、むしろオタクに対して偏見があるという人も、最初は受け入れないかもしれないが、騙されたと思って最後まで駆け抜けてほしい。
序盤でつまらないと切ってしまった人も同じく。
次はラボメンになった時に会おう。
それでは、エル・プサイ・コングルゥ!