3.5
ここ数ヶ月”音楽鑑賞”にハマっているのだが、ただ聴いているだけでは手持ち無沙汰になり、同時並行でなにか別事をやることにした。
しかし、勉強は集中できない、読書は頭に入らない、ブログ執筆は進まない。
音楽鑑賞に集中しながら片手間で出来るものは何かないか...と考え、辿り着いたのがパズルゲームを無音でプレイすることだった。
そのうちプレイしていた一作『ピクロスDS』を全クリしてしまい、長いプレイ時間のあいだに色々と感じることがあったので、
今回は『ピクロスDS』のレビュー・評価を簡潔に書いていきたい。
基本的なゲーム性は”いつものピクロス”だから、本作特有の部分にフォーカスを当てていこうと思う。
発売日 | 2007年1月25日 |
ハード | ニンテンドーDS |
発売元 | 任天堂 |
ジャンル | パズル |
国内売上 | 初週7.2万本/累計30万本 |
クリア時間 | 50時間~(全問解答) |
筆者プレイ時間 | 57時間 |
良い点
計345問収録の超ボリューム
本作はパッケージや公式サイトでは「300問以上収録」と謳っているが、実際には
- イージー:15問
- ノーマル:150問(1レベル15問×レベル1~10)
- ノーマルのエクストラ:15問(ノーマル全問クリアで解放)
- フリー:150問(1レベル15問×レベル1~10)
- フリーのエクストラ:15問(フリー全問クリアで解放)
...の計345問が収録されていた。
さらには、ニンテンドーWi-Fiコネクション(2014年サービス終了)に繋げば過去作からの選抜問題も遊べたようだ。
SFC『マリオのスーパーピクロス』でも計300問。これは後にも先にもシリーズ最大の問題数を誇る。
そしてそれら全ての問題を解くのに50時間以上掛かった。
のちの『ピクロスe』シリーズは1作あたり10~15時間で全問解いた僕でも、大作RPG1本分くらい遊べてしまったのだ。
1日に5問ずつのペースでプレイしたとしても半年は持つだろう。
操作性の向上
従来のシリーズは十字キーとボタンのコントローラーで1マスずつ塗っていたが、
本作からハードが感圧式のタッチパネルが搭載された「ニンテンドーDS」になった事により、タッチペンでお絵描きするように塗れるようになった。
これが過去作をプレイしているほど快適で...
ピクロスの元ネタである「お絵描きパズル」により近づいたと言えるだろう。
息抜きに最適なタッチゲーム
ノーマルやフリーでは5問解くたびに、DSのタッチパネルを駆使した「タッチゲーム」が遊べるようになる。
タッチゲームは、プレイヤーから逃げ回るパネルをタッチして消すゲーム、見本の絵を描き写すゲーム、一定の頻度で表示されるパネルの塊をやっつけるゲームの計3種類。
ノーマルやフリーのレベルが上がるごとにタッチゲームの難易度も上がり、後半になるとピクロスの大問を解くよりも難しくなるw
このミニゲームがほどほどに面白くて、縦横の数字とにらめっこして疲れた脳の息抜きになるのだ。
これまた後にも先にも本作だけの要素。今後のシリーズ作で復活してくれないかな...
気になる点
レベルごとのオリジナルスキンが見にくい
本作はレベルごとにオリジナルスキンが存在し、ゲームが進んでもずっと同じような画面が続いて飽きないよう工夫が図られている。
たとえば、花がテーマのレベルでは花柄のスキンに、音楽がテーマのレベルではピアノの黒鍵と音楽記号に。無論塗るときの効果音も変わる。
このオリジナルスキンがすこぶる見にくくて、解答が進むにつれてどれがマルでどれがバツか分からなくなり、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまう。
とくにマス目が四角にベタ塗りされなかったり、バツ印が違う記号に置き換えられていたりするとややこしい。
結局、青色のベタ塗りとバツ印のノーマルスキンを使い続け、同じような画面を50時間以上見ていた。
より万人向けを目指したデザインへの路線変更
従来のシリーズでは古代文明的な世界観が押し出され、マリオシリーズのキャラクターが登場していた。
しかし本作には古代文明やマリオの影も形もなく、よりライト層に向けた質素なデザインになっている。
任天堂が大好きなゲーマーとしては寂しいと同時に、面白みも薄れたと感じた。
従来の路線でも十分に万人向けだと思うのだが...
しかしゲームの本質的な面白さは変わってない、むしろ操作性や画面の見やすさは向上しているから、”改善”または”進化”と受け取るべきなのかもしれない。
『ピクロスDS』レビュー まとめ
なんといっても345問収録の超ボリューム。難易度も終盤はそれなりに高く、定価3800円でこの物量はコストパフォーマンス最強だ。
中古で500円以下で売られているもんならもう...
近年の『ピクロスe』シリーズや『ピクロスS』シリーズをやり尽くして、まだ見ぬピクロスを欲している人。
大いに時間を潰せるパズルゲームを探している人はこの一本をおすすめする。過去作だからと侮ってはいけない。