異種族の風俗をファ〇通レビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメをネタバレ有りでレビューしていく「アニメレビュアーズ」。
今回は、タイトルが長すぎてウザいTVアニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』、略称『お母好き』の感想・評価・レビューだ。
視聴した理由は、女の子に甘えたり、優しい言葉をかけてもらったりしてほしかったから。
おそらく疲れていたのだろう。僕は”バブみ”を欲していて”オギャり”たかったのだ。
手ごろに”バブみ”にありつける作品を探し求め、このアニメに辿り着いた。
- 『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』作品情報
- 導入から押し寄せる”圧倒的雑味”
- お母さん同伴の下り坂ストーリー
- 気合とこだわりが詰まったえちえちカット
- 真々子さんにバブみを感じずにはいられない...!
- まとめ:通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さん"は"好きです
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』作品情報
放送時期 | 2019年7月-9月 |
話数 | 全12話+OVA1話 |
ジャンル | 冒険/ファンタジー/ラブコメ |
アニメーション制作 | J.C.STAFF |
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』あらすじ・PV
高校生の大好真人は、ゲーム内空間に「転移」してプレイする新しいMMO-RPGのテストプレイヤーに選ばれた。
説明に訪れた白瀬女史の言葉もそこそこに、真人はさらばリアルとばかりにゲームの世界へ!
ところがゲームの世界には、母親の真々子もなぜか一緒に来ていた。
驚く真人だが、真々子は大好きな息子と一緒に冒険が出来ると無邪気に大喜び。しかも彼女の通常攻撃はチート級の強さだ。
真人の攻撃力は普通で、健全に親離れ進行中の彼としては、諸々イメージ台無しでガックリ。
かくして母親同伴のRPGがスタートした。
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』スタッフ
原作:井中だちまCOMMENT(ファンタジア文庫/株式会社KADOKAWA)
原作イラスト:飯田ぽち。
監督:岩崎良明
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:八重樫洋平
総作画監督:八重樫洋平、渡辺真由美
プロップデザイン:きむらひでふみ
色彩設計:鈴城るみ子
美術設定:高橋麻穂
美術監督:岩瀬栄治
撮影監督:高橋昭裕
音楽:井内啓二
音響監督:濱野高年
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』キャスト(声優)
大好真々子:茅野愛衣
大好真人:石谷春貴
ワイズ:鈴代紗弓
ポータ:原田彩楓
メディ:Lynn
白瀬:新井里美
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』評価
評価項目 | 作画 | 演出 | 音楽 | 声優 | ストーリー | キャラ | 設定・世界観 | 雰囲気 | 面白さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 8 | 7 | 7 | 9 | 6 | 8 | 8 | 7 | 6 |
お気に入り度:★★★☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
導入から押し寄せる”圧倒的雑味”
本作を簡単にいえば、「母親と一緒にオンラインゲームの世界に転移して冒険するお話」だ。
『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』の人が死ななくて、母親が同伴するバージョンといったところである。
導入となる第1話は、いきなり内閣府の調査役を名乗る女性が家を訪れ、親子で事情聴取を装い自分のパソコンをいじらて、画面に吸い込まれるようにオンラインゲームの世界へと転移する。
冒頭から超展開というか、恐ろしいほど雑だw
どういう技術なんだ、内閣府がそんな事するか...ツッコミ始めたらキリがない。
そして母親も一緒に転移していたことが分かり、「転送宮殿」なる場所でその主である王様からこの世界の説明を受ける。チュートリアルだ。
しかしこれまた恐ろしいほど雑w
「ガイドブック」やら「初回ログインボーナス」やら、世界観ぶち壊しのメタ発言が王様からバンバン飛び出し、ツッコまれると「上手く説明できない特殊な技術」と説明。
そこに「パッパラー」などのチープな効果音が加わり、より雑味を加速させる。
また「転送宮殿」の主が「オウ=サマ」だったり、最初の国が「カーサーン王国」だったり、ゲーム内の場所や一部キャラクターのネーミングもことごとく雑だ。
はやくオンラインゲームの世界で母親と冒険する所を描きたい、スピード感と分かりやすさ重視だからあとはおざなりで。
その考えは分かるのだが、この雑味が作品の面白さに繋がってない場合が多く、もう少しどうにかならなかったのか?...と思う一方だ。
とんで物語中盤の例になるが、学園のモブを「まだ開発が追いついてない」という設定で手抜きしていたのがまさに「雑味が面白さに繋がってない場合」だ。
『SAO』なら、天才量子物理学者の茅場晶彦が作った「ナーヴギア」という名のマシンを頭に装着し、ゲーム世界にフルダイブできる。
そのマシンを入手した約1万人のプレイヤーは完全なる仮想空間を満喫していたが、のちに ゲーム世界の死 ⇒ 現実世界の死 に直結するデスゲームだと発覚する。
このように、どういう技術と経緯があってゲーム世界に転移できたかが懇切丁寧に描かれ、一度観始めた視聴を離さない圧倒的な”引き”がある。
そういうのが全く無い、むしろ真逆ともいえる導入(第1話)には先が思いやられ、開始数分で視聴を止めようか検討したほど。
漫才とTVアニメは掴みが大事、これ鉄則。
お母さん同伴の下り坂ストーリー
そして導入が終了し、仲間集めやバトル、探索に冒険といった”本編”に物語はシフトするのだが...
お母さんである真々子さんが「オンラインゲーム」というものを全く理解してない感じ、なんでもお母さん的発想に繋げる感じ、だけど無意識に無双しちゃって美味しい所を全部掻っ攫うのは面白い。
「母親同伴でゲーム世界に転移して冒険」という設定からして面白いのだから。
また基本的に、真々子さんが真人にゾッコンなのに対し、真人はそれほどマザコンでもないというギャップは、不快感とか気持ち悪さを削いでいてリアリティがある。
ちょくちょく母親同伴を恥ずかしがるのも”思春期男子”を感じさせる。
だが一方で、同年代女子の前でお母さんに膝枕してもらったり、異性と混浴しても冷静を保っていたりなど、本当に思春期男子なのか?...と感じる行動が多いのも事実だ。
そして、お母さんに対してラノベ主人公口調なのが寒い。もっと素っ気ない態度を取らせて、同年代女子と親への対応の温度差を演出しなきゃダメだ。
真人がテンプレートを往くラノベ主人公の範疇に収まってしまったのが残念である。
それからストーリーは、あくまでもゲームのβテストをするお話なので、未知なる敵との遭遇や未踏の場所に向かって冒険するワクワク感があるはずもなく...
ただ主人公が母親含む美少女たちとイチャイチャしながら、βテスターとしての役割と親子問題の解決を順調に果たしていくぬる~いお話が続くのだ。
親子問題も「キラキラネーム」や「タイガーマザー」、ひいては「親と子の確執」などの結構良いテーマに斬り込んでいるのに、それがちゃんと描けてなくてズコーっとなる。
とくに9~12話の「ソロゴロシの塔」攻略編は、まんま『SAO』の超劣化版でしかなく壊滅的にくだらなかった。
ダンジョンの造り(仕掛けやバトル)は単調で、「ほら、これはゲームでよくある○○ってやつだ」的なセリフが全然刺さらない。作者がゲームの表面上しか知らないのを分かってしまう。
無理くりお母さん要素を入れてきた、反抗組織リベーレ(アマンテ)vs お母さんギルド(真々子)の家事対決は、お母さんギルド側の真人やメディが審判の時点で公正なバトルではなく、剣に洗剤をつけて皿洗いをして真々子さんが勝つのも「は?」って感じだった。
そして主題にあたるオカンと喧嘩して家出した子供たちの問題は、なんかよく分からんけどあっさり解決。
真人がアマンテの願いごとを阻止する最終回終盤に至っては、真人とアマンテで時間の進み方が違いすぎて、制作側のご都合がはっきりと見えて酷く萎えた。
ラストバトルを「全体攻撃で二回攻撃の通常攻撃」でフィニッシュして綺麗にタイトル回収...もせず、敵のアマンテにも逃げられて「俺たちの戦いはこれからだ!」的な”なあなあエンド”に着地。
こんなにも尻すぼみでつまらなくなって行くとは。
読んでない原作も、1巻以降は下り坂なのが手に取るように分かる。これでファンタジア文庫の大賞作品なのか...
この9~12話のエピソードは、原作の当分先だろうけどポータの過去を掘り下げるか、大好親子にフィーチャーして集大成に持ち込むかして欲しかった。
原作1巻につきアニメ4話分にそのまま落とし込む単調な構成にしたのは、続編展開を微かにでも期待していた原作側の要望か?
気合とこだわりが詰まったえちえちカット
ストーリーがつまらない。じゃあこのアニメのストロングポイントはどこかというと”エロ”だ。
1話は真々子さんの豊満な胸のアップ程度だったが、
2話では急にアクセルを踏み込み、真々子さんが布を溶かすスライムに惜しげもなくいたぶられる。
息子にぐちょぐちょのまま押し倒されて喘ぎ、下着がはだけてトップも露わになり、挙句には全裸で戦う始末。
2019年ベストをあげたいくらいエロかった。最高だ。
この2話はエロのゴールドラッシュで、胸を鷲掴みしながら落とし穴に落下という新しいパターンもあり、
サブヒロインだけどワイズのパンチラも多く、とくに下アングルからのカット(上の画像)に関しては、描いたアニメーターに賛辞を送りたいほど、制作側の気合とこだわりが感じられた。
だがあまりにも序盤が過激だったため、"エロ"も中盤からは食傷気味になる。
パターンが尽きたのか、エロシーン自体が減少の一途で、あっても温泉イベントをリピート、2話で全裸戦闘したのに11話では下着姿で戦闘など。
明らかに気合とこだわりの配分を間違えている。面白さもエロも2話がピークっていうね...
真々子さんにバブみを感じずにはいられない...!
前項にも繋がることではあるが、どれだけ真人と同年代の美少女が登場しても不動のメインヒロイン・真々子さんが可愛すぎる。このアニメは真々子さんに支えられている、と言っても過言ではない。
なにより衣装チェンジが豊富で、普段着と冒険装備に留まらず、制服、メイド、スクール水着、ビキニ(OVA)、裸エプロン、全裸...と色んな真々子さんが見れて眼福だった。
推定40歳近いお母さんが無理して制服を着ている(んだけど全然イケる)のが制服フェチとしてたまらんですばい。だけど教師や魔法少女、サンタなどもっと色々見たかった。
⇩教師姿はこの本で実現。作中に留まらず、パッケージイラストなどの版権絵もえちえちで良いよね。
唯一欠点があるとすれば、安直すぎる名前だ。子供の頃も「ままこ」という名前で育ったんだよね?
また、声優界イチ”バブみ”に溢れているかやのんこと、茅野愛衣さんがCVを務めている点も真々子さんの魅力を増大させている。
お酒も飲めない年齢なのに『かやのみ』を毎回欠かさず見ているファン心を抜きにしても、声質や演技のまとう雰囲気がフィットしているキャスティングだと思う。
サブヒロイン(真人と同年代の美少女たち)も簡単には無視できない。
- ス〇イヤーズを彷彿とさせる髪色の王道ツンデレ:ワイズ
- いつもほわほわしている癒し的存在のロリ:ポータ
- 表と裏のギャプが激しすぎる腹グロお嬢様:メディ
- 全部を説明してしまう実は優しい悪女:アマンテ
- 自分の名前を口癖にするお知らせ係:シラーセ
なんともラノベっぽい味付けだが、各キャラクターの個性がきちんと立っていて可愛い点は評価できる。キャスティングも文句なし。
あとは、場面転換時に入る「NOW LOADING」のドット映像や、真々子さんの状態に応じて変化するアイキャッチが良かったな。以上!
まとめ:通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さん"は"好きです
バブみを提供する癒しアニメとしては物足りなくて、エロアニメとしては食傷気味になって、親子物語としては微妙で、異世界転移アニメとしてはSAOの超劣化版でしかなくて...
全体的に粗が目立ち、良作になれそうでなれなかった惜しい作品だった。
ストーリーとギャグが面白ければ『慎重勇者』に、第2話のようなエロが最後まで続けば『回復術士のやり直し』みたく一部界隈で大絶賛されるアニメになれたのではないか。
親も子も共感できるエンタメに振るか、マニア向けに振り切るのかはっきりして欲しかった。
出来上がったのはマニア寄りの作品なのに、ラノベ原作だからか、テンプレートなサブヒロインで中高生ウケも狙いに行っているのがターゲットブレブレである。
また、長すぎてウザいタイトルも心なしか足を引っ張っているように思える。だって視聴前は地雷としか思えないもの。
まあしかし、期待以上に”楽しむ”ことができたので僕的には満足だ。
真々子さんのお気に入り度は星5つ!!!