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間違い続ける捻くれた青春ドラマ! アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』感想・評価レビュー【アニメレビュアーズ#2】

 

異種族の風〇をレビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメの感想や評価を書いていく「アニメレビュアーズ」

 

今回は、僕の人生に色んな意味で多大な影響を与えた『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』、通称『俺ガイル』というアニメの感想・評価・レビューだよ。

君がいるから俺ガイル。

 

アニメレビュアーズとは?

 

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』作品情報

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©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完
放送時期

第1期:2013年4月-6月

第2期:2015年4月-6月

第3期:2020年7月-9月

話数

第1期:全13話+OVA1話

第2期:全13話+OVA1話

第3期:全12話

ジャンル

ラブコメ/学園

アニメーション制作

第1期:ブレインズベース

第2・3期:feel.

 

『俺ガイル』あらすじ・PV

「青春とは嘘であり、悪である」
──こう書いた作文をきっかけに、「奉仕部」に入部させられた比企谷八幡。

奉仕部では、息を呑むほどの美少女・雪ノ下雪乃、クラスの上位カーストに属するギャル・由比ヶ浜結衣に出会い、ラブコメに展開──するはずが、八幡の残念な性格がそれを許さない!

八幡の高校生活、いったいどうなる!?

引用:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 公式ホームページ|TBSテレビ

 

 

 

『俺ガイル』スタッフ

原作:渡 航(小学館「ガガガ文庫」刊)

キャラクター原案:ぽんかん⑧

監督:吉村愛(1期)、及川 啓(2期)

シリーズ構成:菅正太郎

キャラデザ:進藤優(1期)、田中雄一(2期)

音楽 : 石濱 翔・MONACA

音響監督 : 本山哲

 

『俺ガイル』キャスト(声優)

比企谷八幡:江口拓也
雪ノ下雪乃:早見沙織
由比ヶ浜結衣:東山奈央
一色いろは:佐倉綾音
比企谷小町:悠木碧
戸塚彩加:小松未可子
葉山隼人:近藤隆
材木座義輝:檜山修之
平塚静:柚木由香
雪ノ下陽乃:中原麻衣
三浦優美子:井上麻里奈
海老名姫菜:ささきのぞみ
川崎沙希:小清水亜美
戸部翔:堀井茶渡

 

『俺ガイル』評価

評価項目 作画 演出 音楽 声優 ストーリー キャラ 設定・世界観 雰囲気 面白さ
点数 8 8 8 10 9 10 10 7 10

お気に入り度:★★★★★

 オススメ度:★★★★★

 

 

 

捻くれまくりの主人公が俺的にポイント高い

 作品の骨組みは物語であり、物語を彩るのはキャラクターだ。

 

まず、そんなキャラクターたちの性格や価値観などがきっちりと描写され渡っていて、それぞれがしっかりと強い個性が立っている。

 

 

容姿端麗で成績優秀だが、青春とは程遠い孤高の少女、ゆきのんこと雪ノ下雪乃。

黒髪ロングとはやみんボイスが相まって、僕はゆきのん推しである。何だかんだ、どうしてもメインヒロインを好きになっちゃうタイプ。

 

クラスでは上位カーストに所属しているほどイケイケだが、内面に色んな物を抱えているお団子ショートカットの子、ガハマさんこと由比ヶ浜結衣。

負けヒロイン臭半端ないが、ガハマさんを嫌いにはなれない。むしろ好き。

なおぼうのかわわボイスが見事にハマっている、なおぼうの演じるで一番好きなキャラだ。

 

サッカー部部長のイケメンに猛アタックする後輩系ヒロイン、いろはすこと一色いろは。あざとい、あざとかわいい、あざといろはす!

男ってバカだからこういう子に一番弱い。 

 

兄が好きなのか嫌いなのか分からない、本作のマスコット的立ち位置にいる主人公の妹、比企谷小町。

小町的ポイント的な好感度を上げに行こうとする姿や、時に冷めた態度を取る可愛い妹が、俺的にもポイント高い!

 

少年の心を忘れないが、どこかオトナな女性感漂う、現国の女性教師である平塚先生。

幸せにするからこういう先生が欲しかった・・・

 

雪ノ下雪乃の実の姉であり、ゆきのんや八幡をも凌駕する存在、はるのんこと雪ノ下陽乃。嫌いじゃないけど絶対関わりたくないタイプ…

 

・・・などなど、ヒロインたちはビジュアルもそうだが、内面も含めて非常に魅力的である。

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しかし、この作品で一番魅力的なキャラクターは‘‘主人公‘‘だと思う。

アニメにおいて最も重要なキャラクターは主人公であり、一番感情移入できるのも主人公。だが皮肉なことに、ラブコメ系統の作品で一番嫌われやすいキャラクターもまた主人公なのだ。

そこで、本作の主人公は他のラブコメ作品とは一線を画す。

「青春」の二文字からは全く無縁の‘‘ぼっち‘‘で、とにかく捻くれていて性根から腐っている性格で、けれど頭が良いからこそ正しくて。

そんな主人公を最初はイタイなと思いながらも、その卑屈さがクセになってしまう。

 

この主人公を好きになるには時間を要さなかった。

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他にも、ラノベ作家を目指す中二病な材木座義輝というネタキャラや、サブヒロインに落ち着いてしまっている川なんとかさんに、ロジカルシンキングで論理的に考えちゃう玉縄さんとその連れ女、などなど・・・

 

 一人として嫌いなキャラクターが居ない。

全てのキャラクターが立っていて、かつ可愛いor面白いからこそ、キャラクター全員を全力で愛せる。

 

 

”ラブコメ”のお約束を踏襲した、誰もが共感できる重厚な青春ドラマ

そんなキャラクターたちで紡がれる物語は、ただのチープなハーレムラブコメだと思ったら大きな間違いである。

 

 

物語は、青春とは無縁のぼっちである主人公・比企谷八幡が、捻くれ極まった作文を書いた罰として、現国教師・平塚先生に謎の部活「奉仕部」に入部させれられる所からスタートする。

ここは『涼宮ハルヒの憂鬱』から続く、何か変な部活を作ったりマイナーな部活に入部したりするという、学園系・ラブコメ系の物語導入のテンプレだ。

 

そこには才色兼備の美少女・雪ノ下雪乃が居て、最初に奉仕部に問題を持ち抱えてきたスクールカースト上位のこれまた美少女・由比ヶ浜結衣が入部して・・・と、とんとん拍子で主人公の周りに美少女が集まり、ハーレムが築かれる。

 

そして、どこか甘酸っぱくも物悲しい恋愛の描写や、ヒロインたちの萌えシーンなどでドキドキキュンキュンしたり。

主人公の自虐ネタや、材木座などのネタキャラによる笑いを取りにいく流れ、いろはすや意識高い系の皆様の弄り、誰も求めてない千葉ネタにニッチなパロディネタなど、きちんと笑えるギャグシーンも存在していて。

したがって、、この作品は”ラブコメ”をタイトルから自称してるだけあって、きちんと”ラブコメ”のお約束を踏んでいるオタク的願望が詰め込まれたラブコメアニメに仕上がっているのだ。

”ラブコメ”はラブ&コメディの略なのだから、恋愛要素があっても笑えなければラブコメとは呼べない。


 

だがしかし、それは表向きの顔でしかない・・・

 

一つ問題が現れると事態は複雑になり、先の雲行きが怪しくなって行く。

そこから奉仕部二人が問題解決に勤しむ裏で、一人こそこそと動く主人公・比企谷八幡が、誰も思いつきもしない効率的で最低な解決策で丸く収める。

基本的にこの起承転結の繰り返しなのだが、これを繰り返して行くうちに、徐々に物語は複雑に絡み合い、展開は重くなって行き、人間関係は捻くれて往く。

まるでタイヤのようだ。タイヤは回転を繰り返すほどすり減り、たわんで摩擦が大きくなる。

この物語もまた、一つの問題に関する起承転結のセットが何度も回って行き、徐々にすり減って、知らず知らずのうちにたわんで摩擦が大きくなっている。

 

 

また、その物語が徐々に重くなり摩擦が大きくなって行く過程は、現役の学生でも、かつて学生だった社会人でも、友達が沢山居るリア充であっても、友達ゼロのぼっちオタクだとしても、誰しもが共感できると思う。

人間関係や思春期の悩み。そういった現代の学校生活や社会生活に通ずる、誰もが抱える問題や不安、苦悩やトラブルを、他のどのアニメよりも卓越して上手く描いていた。

 

 

総じて、”ラブコメ”のお約束をきとんと踏襲し、きちんと「青春ラブコメアニメ」の体裁を装いながらも、もはや中身はラブコメの枠から外れたディープな青春ドラマである。

 

 

1期と2期の違いから

観てもらえれば作画のタッチなどから一瞬で分かると思うが、1期と2期では制作会社も違えば、監督などメインスタッフも違う。

ここからは1期と2期の違いについて、少し語って行きたい。

 

 

個人的には「feel.」が制作した2期の方が好きだ。

理由としては、作画が2期の方が綺麗かつ丁寧で、ヒロインたちが可愛いから。

やはりfeel.は女の子を丁寧に細かく、そして可愛く描くのが上手い制作会社だ。

2期1話のライブシーンや、ガハマさんが立ち上がりヒッキーの髪の毛を整えるシーンを見てもらえれば分かるが、あのヌルヌル作画は「feel.」にしかできない。

 

 

1期を制作した「ブレインズ・ベース」は、作画だけで判断してはいけない会社だ。

だが、2013年にしては若干古臭いキャラデザだったのがあまり肌に合わなかった。

 

シナリオ面は、1期はラブコメ寄りのコミカルな雰囲気。2期はドラマチックなシリアスめの雰囲気。

僕は、息が詰まりそうになる2期のシリアスさの方が好みだった。

だが、シナリオ面のクオリティは同列だと思う。「ブレインズ・ベース」制作は全くもってハズレでは無い。

 

 

あと、OPとEDについても語っておきたい。

化物語ED「君の知らない物語」で火が点いた”やなぎなぎ”さんが歌うOPも、『春』らしさに満ちていてすごく良い。

が、ゆきのんとガハマさんが歌うED曲の方が僕は好きだ。

1期ED「Hello Alone」より、2期ED「エブリデイワールド」。

聴く度に心が苦しくなる。1話観終わる度に流れるEDに流すのもズルいが、ヒロイン二人が歌っているというのがもっとズルい。

特に2番の「もしも好きだと告げたら 今見てる景色は夢と消えて」という部分の歌詞が最高に辛い。

きちんと歌詞も練られており、狙って遂行された確信犯の所業に違いない。

辛れぇよ、どうしてこうなっちまったんだよ...

 

 

 

まとめ:やはりこの青春ラブコメは間違っている。

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タイトルに偽りなし!

全ての要素において個性が強く、全く期待を裏切らない出来。

ラノベ原作とラブコメの域を超えた、まさに「間違っている青春ラブコメ」である。

 

僕はこの作品を何周も視聴し、原作も全巻揃えるほど大好きであり、僕の人生に少なくとも影響を与えた作品だ。

僕が捻くれ者扱いされたり、友達と呼べる人が居なくてぼっちなのも、大体この作品のせい。

 

俺ガイルの話題となると文字数が尽きないため、今回はこの辺りで。

一応TVシリーズ『俺ガイル』を総合した感想・評価レビューであったが、また機会があれば別で記事を書こうと思う。

俺ガイル愛は留まる所を知らない...

原作は読破済みなので結末は知っているが、TVアニメ第3期が非常に楽しみであり心待ちである。

 

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14 (ガガガ文庫)
 

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