異種族の風〇をレビューする某アニメに倣って、僕が(全話)視聴したアニメの感想や評価を書いていく「アニメレビュアーズ」。
今回は『ARIA』シリーズのOVA作品『ARIA The OVA ~ARIETTA~』の感想・評価・レビューだ。
基本的に『ANIMETION』や『NATURAL』でも感じたことは書かないため、TVシリーズのレビュー記事を先に閲覧してもらえるとありがたい。
『ARIA The OVA ~ARIETTA~』作品情報
発売日 | 2007年9月21日 |
話数 | 全1話(30分) |
ジャンル | ファンタジー/日常 |
アニメーション制作 | ハルフィルムメーカー |
『ARIA The OVA ~ARIETTA~』あらすじ・PV
プリマになった夢をみた灯里は、いつもと違う日常風景に戸惑いを覚えます。
目が覚めたあとも、不安は消えません。そして頭をよぎった一つの疑問。
「アリシアさんは、どうして私を選んだんだろう?」
そんな夢の内容を打ち明けた灯里に、アリシアは自らの過去について語りはじめます・・・。
『ARIA The OVA ~ARIETTA~』スタッフ
原作:天野こずえ「ARIA」(月刊コミックブレイド連載/マッグガーデン刊)
監督・脚本・コンテ:佐藤順一
キャラデザ:古賀誠
デザインワークス:春日井浩之
演出:竹下健一
作画監督:海堂ひろゆき
レイアウト作画監督:Romain Thomas
美術監督:吉川洋史
色彩設計:川上善美
特効:安部貴俊
撮影監督:吉田寛
3DCGI:松本薫
編集:西山茂
録音:川崎公敬
効果:和田俊也
選曲:佐藤恭野
音楽:Choro club feat.Senoo
音楽プロデューサー:福田正夫
製作:松竹・メディアファクトリー・テレビ東京メディアネット・AT-X
『ARIA The OVA ~ARIETTA~』キャスト(声優)
灯里:葉月絵理乃
藍華:斎藤千和
アリス:広橋涼
アリシア:大原さやか
晃:皆川純子
アテナ:川上とも子
アイ:水橋かおり
アリア社長:西村ちなみ
『ARIA The OVA ~ARIETTA~』評価
評価項目 | 作画 | 演出 | 音楽 | 声優 | ストーリー | キャラ | 設定・世界観 | 雰囲気 | 面白さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 7 | 8 | 10 | 9 | 8 | 9 | 9 | 10 | 7 |
お気に入り度:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
OVAならではの”特別感”
「アリシアさんはどうして灯里を選んだのだろう?」
そんな僕ら視聴者もずっと疑問に思っていた、灯里がARIAカンパニーに入社するまでの知られざる歴史を描く、というのがこのOVAの本題だった。
確かにその題に迫ってはいた。
だが、個人的に見たかった灯里がARIAカンパニーに採用されるまでの経緯は全く描かれず、灯里の採用が決まってARIAカンパニーに着いた瞬間から描かれた。
そしてアリシアさんと塔に上って、「Choro club」による和やかな音楽をバックに綺麗な景色を眺めて終わり。
何だか素敵な音楽と景色に流されて、本当に見たかった肝心の部分が描かれずに有耶無耶にされた感が否めない。
OVAだから”特別感”はある。けれど、もっと”特別感”のある贅沢な内容でも良かったのではと感じる。具体的にシナリオとキャラ作画...
TVシリーズにも非常に素晴らしいエピソードが多いだけに、ちょっと肩透かしを喰らってしまった。
しかし、何だかんだで「良い話」であったのは間違いない。
アリシアさんというキャラクターの掛け替えのない魅力
「あらあらウフフ」の一言の口癖だけで全てを押し通す、ARIAカンパニー唯一のプリマにして水の三大妖精の一人・アリシアさん。
このOVAには彼女の魅力、というかキャラクターがぎゅっと詰まっていたように思う。
灯里とアリシアの美しい交流を通して、アリシアさんの大人さとか偉大さとかを改めて痛感させられると共に、灯里も傍観者でしかない自分もまだまだ未熟だなと思い知らされるのだ。
そんなアリシアさんにも、勿論ペアやシングルでグランマからご指導を貰っていた時代がある訳で。グランマがARIAカンパニーを去った日の回想が見れたのも良き。
グランマ ⇒ アリシア ⇒ 灯里 ・・・と、脈々と受け継がれていくARIAカンパニーの系譜を、確かに認識することができた。
あの時、アリシアさんがグランマとの別れを惜しみながらも新人を採用し、いっぱしのプリマとして日々大人になって行ったように、いつしか灯里もそうなる時が来るのだろうなぁと。
そんな親心にも似た心情で、アリシアさんというキャラクターを見ながら色々と想像を巡らせてしまった。
これもアリシアさんの魅力であり、『ARIA』という作品が持つアビリティ。
アリシアさんが最も輝いていたエピソードだったように思う。こりゃ誰もが憧れますわ。
まとめ:あらあらウフフ
別れと出会い、過去から未来へ、成長するキャラクター、僅かだが尺が増えたシナリオ、永遠に変わらない背景美術と音楽の素晴らしさ...
全体的にちょっと”特別感”のある素敵なOVAに仕上がっている。
アリシアさんという女性が好きなら、そして『ARIA』という作品をこよなく愛しているのなら、2期と3期の合間にこのOVAを観ておいて損はないだろう。